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スピーキングは総合力

スピーキングは、複数の「英語力の基礎」(*)がなければ成り立たない、総合力の勝負だと考えています。さらにその人本来の性格もかかわってくるように感じています。もともとの素の性格として、私は母語の日本語でもそんなに「おしゃべり」ではないです。日本語であっても、立て板に水を流すように、あれこれ話すわけではありません。本を読んだり、映画を見たりするときに、とりわけ楽しさを感じる性格なのです。そんな私が「スピーキング」について申し上げるのはおこがましい気がしますが、私なりに工夫してきた点はいくつもあります。その一端を紹介させていただきます。

*英語力の基礎については、英語勉強法コーナーの「英単語」「英文法」「リーディング」「リスニング」「ライティング」の項目にそれぞれ記しました。

「口」を使って声に出すことの重要性

新しい英語表現をものにするときは、声に何度も出すことが不可欠だと考えています。そう考え始めたのは、英語ではなく、四字熟語の勉強をしていたときでした。大学受験生のころ、四字熟語を100個以上短期間で覚える必要性が出てきたのですが、そのときの勉強法は英語スピーキングの勉強とかなり重なる部分がありました。

私の場合、覚えたい四字熟語を台所のテーブルやトイレの中など、自分の生活動線で否が応でも視界に入ってくるところにセロハンテープで貼りつけていきました。それに加えて行ったのが、ゲーム感覚で、家族との会話に四字熟語を盛り込んでいくという方法でした。たとえば、「乾坤一擲(けんこんいってき)勉強がんばるよ」とか「呉越同舟(ごえつどうしゅう)の状態だったよ」など、無理やりでもよいから、日常会話の中に四字熟語を入れていったのです。受験勉強の一環とはいえ家族にはやや白い目で見られてしまいましたが・・・普段使わない四字熟語を「口」を使って声に出す効果は目覚ましく、短期間で無理なく覚えることができました。

このときの体験から、日本語であれ英語であれ、何か新しいことを覚えるには、「口」に出すことが重要だと感じるようになりました。それ以降、英語表現を覚えるときや英英辞書を引くときなど、ことあるごとに声に出して音読するようにしています。

「英語モード」と「仕事モード」の共通点

会社員として仕事をしながら社会人向け奨学金制度に挑戦し、2009年に奨学生として9カ月間、アメリカのシアトルで海外生活を送る機会に恵まれました。9カ月間という限られた期間ではありましたが、日本とアメリカの文化の違いに面食らいつつも、吸収することの多い滞在となりました。

コミュニケーションの在り方一つとってもそうです。シアトルでは、現地で出会ったアメリカ人の友人が誕生日パーティーや家族の結婚式に招待してくれたのですが、数十人の中で私一人日本人、という状況に最初に直面したときは心の底からドキドキしました。その友人以外、誰一人知っている人がいない状況。知識としては、「アメリカ人はパーティーで初対面同士でもいろいろ話す」ということは頭に入っていたのですが、自分がそれをリアルに体験したときは、やはり緊張してしまいました。

アメリカ映画でたくさんのパーティー場面を見ていても、自分自身でそれを体験することは大きな差があるものです。「こうなったら・・・」と開き直り、「先手必勝!」という気持ちで、いろいろな人に自分から英語で話しかけていきました。そうしたら、2~3時間ぐらいのパーティーで10人以上の初対面の人といろいろ話すことができました。

そのときに役立ったのが、会社員としての「仕事モード」でした。私は出版社でいろいろな人を取材して自ら記事を書くという仕事を長年していたのですが、この仕事体験がパーティーでは功を奏しました。仕事での取材相手は、ほぼ100%初対面の方ばかりです。もともと内気な性格の私も、「仕事モード」になると、「いい記事を書きたい」「そのためには取材を成功させたい」という思いが前面に出るので、日ごろの性格は吹き飛び、積極的になれるのでした。私がパーティーで「先手必勝!」とばかりに英語で話しかけていったときの気持ちは、ちょうど「仕事モード」のときの気持ちとよく似ていたと後日振り返りました。

アメリカで実感したのは、現地に住んでいるアメリカ人のなかで、日本に関心がある人は相当に限られているということ。日本で出会うアメリカ人は、日本に何らかの理由で来ているわけですから、濃淡はあれど日本との接点があります。ですが、現地にいるアメリカ人は、日本のことをほどんど知らず、また関心すら持っていない場合もあります。

私たち日本人はメディアやエンターテインメントを通じてアメリカに関する情報を無意識のうちにたくさん吸収しています。ですから、アメリカ側にも日本の情報が同じくらい浸透しているという錯覚を抱きがちです。しかし、アメリカ側に届いている日本の情報は非常に限られていることを私は現地で実感しました。そうした環境のなかで効果的にコミュニケーションをとっていくには、「先手必勝!」の気持ちで自ら話しかけていく姿勢が何より重要だと思いました。

趣味がつなげてくれた友人関係

私がアメリカで仲良くなった友人の一人は、「映画」をきっかけに仲を深めることができました。もともと日本でもアメリカ映画を日常的に見ていたので、会話の共通項が自然とあったのです。見ず知らずの土地で心細かったものの、友人と一緒に映画館に行ったり、カフェでおしゃべりしたり、と楽しいひとときを過ごすことができました。そのときに感じたのが、現地で友人を作るには、その国の文化の一端をあらかじめ知っておくことが相当に重要なのではないか、ということ。私の場合は「映画」でしたが、スポーツであれ音楽であれ、何らかの背景知識を知っておくと、コミュニケーションがずっと円滑になり、楽しくなると感じました。

これは「日本人 対 アメリカ人」間のコミュニケーションだけではありません。私は「日本人 対 台湾人」間のコミュニケーションでも同じことを感じました。シアトルでは台湾からやってきた同世代の子たちとも仲良くなったのですが、彼らの日本文化への関心は驚くばかりでした。話を聞いたところ、その関心のきっかけとなったのは、台湾でも人気のある『ドラゴンボール』や『スラムダンク』といった漫画・アニメだったそうなのです。私もこの二つの漫画は大好きで、台湾でも人気があると知って、とても嬉しい気持ちになりました。そうした共通項があったおかげで、初対面のときから、楽しい気持ちで心地よくコミュニケーションをとることができました。

日本人同士でも「趣味」が結んでくれる友人関係は多々あります。それが海外となると、異なるバックグラウンドを持つ者同士であるだけに、「趣味」のような共通項があると大きな助けになってくれると実感しました。

アジア人同士で英語を話すことの楽しさ

「アジア人同士、英語でコミュニケーションできるのは、なんて便利なんだろう!」 ― これは、私がアメリカで実感したことです。現地では前述の台湾だけでなく、中国、韓国、モンゴルからやってきた、同世代のアジア人との出会いに恵まれました。彼らも日本人同様(ときには日本以上に熱心な)英語教育を受けてきているので、お互い英語でコミュニケーションをとっていました。

もし私が今から中国語や韓国語を学び始めるとすると、彼らと円滑なコミュニケーションが取れるまで上達するには、長い時間がかかることでしょう。一度きりの人生で、「あれも」「これも」と手を広げすぎたら「虻蜂取らず」で、どれも中途半端に終わりそうです。でも、「英語」という国際共通語があるおかげで、アジア人同士もコミュニケーションが取れるということを自ら体験し、「英語を勉強してきてよかった」と心から実感しました。

英語は何も、英語圏のネイティブと話をするためだけに存在するわけではありません。アジア人同士でも英語を媒介して話ができる ― これは英語学習の大きな利点ではないかと思うのです。

日本人同士でも英語で話してみる

お互い「英語ネイティブ」ではないとはいえ、日本人同士で英語を話すのも、非常に良いトレーニングになるものです。私の場合、大学時代、語学の授業では、日本人同士であっても、「英語100%(*クラスで日本語はNG)」で議論することが求められました。私はクラス分け英語試験のスコアが高めだったのか、ずっと日本育ちにもかかわらず、なぜか帰国子女率が9割を超えるクラスに入ってしまい、日本にいながらにして人生で初めてのカルチャーショックを味わうことになりました。

それまで海外はもちろんのこと、国内旅行で飛行機に乗ることすら1度しか経験がなかったので、同級生の豊富な海外経験にまず驚きました。さらに「同じ日本人なのに、英語と日本語を同じくらい自然に話せる子が世の中にはこんなにいるのか・・・」と心底驚き、自分のこれまでの努力の過程にむなしさを感じてしまうほどでした。コツコツとした努力だけでは乗り越えられないような「壁」に初めて直面したからです。語学クラスの初日は、帰宅する道すがら涙がこぼれるほどの落ち込みようでした。その後も、英語学習の過程で落ち込むことは多々ありますが、私にとっては大学の語学クラス初日が最大の挫折を味わった日だったように思います。

ですが、同級生がクラスで難儀している私を見て励ましてくれたり、受験勉強の成果でリーディングはちゃんと授業についていけることが判明したことで、少しずつ自信を取り戻しました。大学では教育学科に所属し、英語で行われる教育学の専門クラスも積極的に受講しました。苦手意識があっても、とにかく「英語しか使えない環境」に身を置くことが重要だと考えたのです。次第に英語でも授業が難なく理解できるようになって、すごく嬉しかったことを覚えています。

大学卒業後、出版社で英語教育分野の編集者として働いていたときは、自分自身が英語の「大きな壁」にぶつかった体験が、企画を考えるうえでも大いに役立ってくれました。

2009年に社会人向け奨学金を獲得しシアトルに9カ月間滞在した際にも、同じスカラシップ生同士(*私を含めて5人)は、ずっと英語でコミュニケーションしていました。最初はかなり照れくさいですが、慣れてくれば大丈夫です!たとえ日本人同士であっても、お互いの英語から吸収できることは多いものです

ただし、ずっと英語だと脳が疲れてしまうので、ときどき日本語で息抜きすることをおすすめします。私は日本にいる家族とは Skype(スカイプ)でビデオ会話をしていましたが、そのときはもちろん日本語でした。根を詰めて自分を酷使しすぎる勉強法は、健康にも良くないですよね。私は「健康」あってこその「語学」だと思っています。

スマートフォンのおすすめ英会話アプリ

世の中には優れた英会話教本もたくさんありますが、私が最近注目しているのはスマートフォンのアプリです。iPhone をお持ちの方におすすめの英会話アプリは、なんといっても「Real英会話」です。
Real英会話
有料英会話アプリの中で一番のお気に入りです。

仕事柄、研究も兼ねていろいろなアプリを購入しています。「英会話」のジャンルのなかでは、「Real英会話」がダントツで「すごい!」と思いました。350円の有料アプリですが、買ってみたら「これだったら倍の700円払ってもいい」と思える充実ぶりでした。

特筆すべきは、「買っておしまい」ではなく、日々進化しているアプリであるということ。英会話の頻出表現が次々に更新されているだけでなく、このアプリを作った英語講師のテリー先生に、「○○を英語では何と言いますか?」と直接問い合わせることができるのです。「テリーにリクエスト」という項目があり、iPhone アプリ上から問い合わせを送ることができます。私も試しにテリー先生に問い合わせのメールを送ってみたら、即日で返信があり、その迅速性にも驚きました。
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