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基礎を身につけるには、NHKの語学講座

リスニングの基礎を身につけたいと願う方に、私が第一におすすめしているのが、NHKのテレビ・ラジオ講座です。一流の講師陣がそろっている番組の「質」、そしてテキスト代はわずか400円程度という「価格」、日本で最もコストパフォーマンスが高い語学教材ではないかと考えています。近年ラジオ講座はインターネットやスマートフォンのアプリ「らじる★らじる」でも聴講できるようになり、利便性が増しました。
らじる★らじる
NHKの語学講座が聴ける無料アプリ。

私の力を伸ばしてくれた二つのラジオ講座

私は中学・高校時代、学校の定期試験レベルのリスニング問題にさえ、苦手意識がありました。リスニングの勉強を始めようと思ったとき、NHKの「やさしいビジネス英語」(*現在は、「実践ビジネス英語」)ではレベルが高すぎたため、手始めに「ラジオ英会話」に取り組みました。この番組は、数あるラジオ講座のなかで、リスニングの基礎力をつけるのに最も適しているといえます。週5日放送があるので、毎日の習慣にもしやすいです。「ラジオ英会話」を半年間聴き続け、英語の耳になじんできたのち、並行して「やさしいビジネス英語」も聴くようにしました。

「やさしいビジネス英語」は、私が講座を聴講していたときは平日5日放送がありましたが、現在は平日3回になっています。私は当時、週末の再放送も聴いていました。さらに英語音声の部分をカセットテープ(*当時はテープがまだ主流でした)に録音して、通学の行き来で生じる「スキマ時間」にも聴いていました。さらに、大学受験当日のお昼休みにも「やさしいビジネス英語」の英語音声を聴いて、心を落ち着けました。

もともとは大学受験の英語リスニング準備で聴き始めたラジオ講座ですが、内容がとても面白く、「受験」という枠を忘れて夢中で聴いていました。もともとは学校の定期試験レベルのリスニング問題にも苦戦していたのに、これらの番組を1年以上毎晩聴き続けた結果、受験レベルを超えたリスニング力が養えただけでなく、社会人になって英語で仕事をする上での基礎にもなってくれました。

大量の問題が次々に流れてくる TOEIC のリスニングに苦労している方も多いのではないでしょうか。私はラジオ講座を TOEIC 対策のために聴いていたわけではありません。ですが振り返ってみれば、TOEIC のリスニングに対応できる基礎力は、ラジオ講座を通じて身につけられたように思います。ラジオ講座を卒業したあとは、教材ではない「生の英語」素材に取り組み始めました。特に YouTube で英語の動画(*私の場合は「映画の予告編」)を繰り返し見続けていたのですが、特別な試験対策はしなくとも、TOEIC のリスニングセクションは満点を獲得できました。

私がリスニングに関して今でも一番感謝しているのは、NHKのラジオ講座です。当時のテキストは「ラジオ英会話」が350円、「やさしいビジネス英語」が370円で、無理なく変える価格でした。高いお金を払わなくても、身近に良質な教材はあるものです。

英語圏の中継ぎ的サイトで肩慣らし

NHK語学講座のテキストは、日本語と英語で書かれています。講座でも、日本人の先生方は日本と英語を併用なさっています。つまり、「100%英語だけ」というわけではありません。英語学習の過程で一定の基礎力がついたら、「100%英語だけ」で書かれたウェブサイトを読んだり、音声を聴く「肩慣らし」を次第に始めたほうがよいと考えています。私の場合、英語だけで書かれたサイトや音声に触れ始めた当初は、脳が対応しかねたのか、いつもとは違う疲労感があったり、眠くなったりしてしまいました。おそらく、日本語で暮らしてきた脳には、これまでにない負荷がかかるのだと思います。

いきなり YouTube や海外ドラマ・映画などで容赦のない「生きた英語」に挑戦するのは、ハードルが高いものです。そこで役立つのが、日本で制作された「調整された英語教材」から英語圏の「生きた英語」への橋渡しをする、中継ぎ的なサイトです。たとえば、 BBC Learning EnglishVOA(Voice of America)Learning English です。これらのサイトは平易な英語が使われているとはいえ、100%英語だけで書かれていて、最初は「わっ!全部英語だ!」と圧倒されてしまうかもしれません。しかし、音声とテキストがセットになっており、独学用リスニング教材として使えるような工夫が随所になされています。

画像:BBC Learning English より

画像:VOA(Voice of America)Learning English より

YouTube で英語の動画を繰り返し見る

会社勤めをしている多くの方が実感されていると思いますが、社会人になると、勉強時間を捻出するのが難しい時期があります。私も大学卒業後、最初に勤務した出版社時代は終電帰りが続いたり、土・日曜日も自宅で記事を書いていたり、原稿をチェックしていたりと、就職後最初の数年は「無我夢中」という言葉がふさわしい毎日でした。大好きな仕事だったので充実していましたが、うっかりすると自分の勉強時間を取ることを忘れそうになりました。

そこでスキマ時間に活用してきたのが、YouTube です。自宅で部屋を片付けるなど何らかの作業をしているときに、YouTube で映画予告編(英語版)を繰り返し聞いていました。私は映画館でいろいろな作品を見るときに心から嬉しさを感じるのですが、映画の予告編も実はすごく面白いです。2~3分の中に映画のエッセンスを凝縮する編集術に魅了され、優れた予告編はそれだけで一つの作品になっている、とさえ思っています。そうした思いがあるため、同じ予告編を何十回見ても聴いても楽しくて、私にとっては格好の英語リスニングになりました。

同じ予告編を繰り返し再生させるには、Listen on Repeat というサイトを利用しています。サイトに利用法が書かれていますが、通常の YouTube の動画URL に、repeat という文字を付け加えるだけで、延々と同じ動画をリピートしてくれるのです。たとえば、私のお気に入りの映画予告編の一つ、Les Miserables(レ・ミゼラブル)の予告編を繰り返し再生させたい場合は次のようにします。

通常のURL
http://www.youtube.com/watch?v=6ISKx4WZMr4

repeat という文字を付け加えたURL
http://www.youtuberepeat.com/watch?v=6ISKx4WZMr4

「語学習得には反復が大切」とよくいわれますが、この方法は私にとって、趣味も兼ねた、無理のない繰り返しトレーニング法です。私の場合は映画が大好きなので、映画関連の動画を見ることが多いですが、この方法はどんな分野にも応用が可能で、好きな分野を突破口にするのが一番だと思います。

たとえば、ビジネス分野でいえば、Apple社 Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)の歴史に残るであろう名スピーチも YouTube で見ることができます。2005年にスタンフォード大学の卒業式で行われたスピーチです。

Steve Jobs’ 2005 Stanford Commencement Address
*英文テキストは、スタンフォード大学のウェブサイトに掲載。

大学卒業式のスピーチといえば、2008年にハーバード大学で行われた、『ハリー・ポッター』シリーズの作者 J.K. Rowling(J・K・ローリング)によるスピーチもおすすめです。

J.K. Rowling Speaks at Harvard Commencement
*英文テキストは、Harvard Magazine のウェブサイトに掲載。

YouTube は、使い方次第で「優れたリスニング教材の宝庫」になります。なんといっても無料で利用できるのが、ありがたいです。ぜひ、お気に入りの動画を見つけてみてくださいね。

TED で世界の知性に触れる

YouTube に加えて、最近注目しているのは、TED です。世界第一線の知性に英語で触れることができます。たとえば、Jason Fried: Why work doesn’t happen at work は、平易な英語が使われているプレゼンテーションですが、非常に面白かったです。当時会社員だった私には、大いに身につまされる内容でした。TED のウェブサイトは字幕機能も充実しているので、聞き取れない箇所は英語字幕で確認することも可能です。TED はウェブだけでなく、スマートフォンのアプリでも視聴可能です。おすすめなのが、TEDiSubtitleです。
画像:TEDiSubtitle
字幕付きのTEDアプリ(無料)。

このアプリでは、字幕付きで TED のプレゼンテーションが楽しめます。TED公式アプリよりも、英語学習素材として活用しやすいです。ご参考までに、TED のなかで私が特に刺激を受けたのは、次のプレゼンテーションでした。


もし学校や先生から与えられたリスニング素材があまり面白くなかったら、ネットを使って、自分が心から「面白い!」と思える素材を探し出してみませんか?現在の恵まれたネット事情を考えると、自分が求め、探し出せば、それこそ世界各地から、自分だけの「先生」「リスニング教材」を見つけ出すことができます。TED サイトには膨大な数のプレゼンテーション動画がありますから、きっと自分だけのお気に入りが見つかると思います。

オーディオブックを使って、洋書を「耳」で聴く

洋書を耳で聴くオーディオブックは、「関心のあるテーマ」と「英語」が同時に学べ、かつスキマ時間も活用できるという点でおすすめです。英語圏のベストセラーは、その多くがオーディオブック化されており、音声で楽しむこともできます。これらの有料音声素材は、Audible.com や Apple社の iTunes ストアなどで購入可能です。私は iPhone に音声をダウンロードしているのですが、どこにでも持ち運びできるので便利です。

私の場合、スターバックスが好きで、スタバの企業文化にも関心を持ったため、Pour Your Heart Into it: How Starbucks Built a Company One Cup at a Time(邦題『スターバックス成功物語』)や How Starbucks Saved My Life: A Son of Privilege Learns to Live Like Everyone Else(邦題『ラテに感謝!』)などを iPhone にダウンロードして聴きました。どきにでも持ち運びできる iPhone を使えば、台所でじゃがいもや玉ねぎを切っているときでさえ、英語リスニングの時間に早変わりします。スマートフォンをお持ちの方は、「英語リスニング道具」としても活用してみるのはいかがでしょうか。
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