英検は中学・高校生にとって心強い「伴走者」

今では TOEIC 人気におされて、「英検」は少し影が薄くなっているように感じます。ですが、私にとって「英検」は英語学習の過程で大いに励みになる試験でしたので、紹介させていただきます。

画像:「英検」より

今でこそ TOEIC Bridge もありますが、私が中学・高校生のころは存在せず、TOEIC の存在自体、高校生のときは知らなかったです。英検は4級から受験し始めて、3級→準2級→2級→準1級→1級と、一つひとつ取得していきました。1級だけは大学卒業後、会社員として働いているときに取得しました。

私は英検ならではの良さは、二次試験にあるのではないかと考えています。私の場合、中学・高校時代を通じて英語ネイティブの先生に習う機会はなく、英語で意見を述べる訓練を受けたこともありませんでした。ですから、英検の二次試験で、つたないながらも「英語で話す」場所があったことは、当時大きな刺激になったのです。

今では家族の笑い話になっていますが、私は英検準2級の二次試験でとんだ失敗をしたことがあります。準2級の二次試験では面接官から「問題カード」が渡され、退室する前にそのカードを返却する必要があります。退出前、問題カードを返却するようにと、面接官が私のほうに手を差し伸べました。ところが!慣れない英語の口頭試験で緊張していたのか、私は問題カードを差し出すのではなく、面接官と握手してしまったのです!!面接官もびっくり仰天してしまったようでした。この試験は無事合格したのですが、赤面ものの体験でした。ただし、ここでいい意味で開き直ったのか、その後の2級→準1級→1級取得に至るまで二次試験で大きな失敗したことはなかったです。

大学時代、学習塾で英語を教えるかたわら、同じ市内在住の中学生の英語家庭教師もしていました。担当した中学生の子は英検も関心があり、学校の試験対策だけでなく、英検3級合格に向けての対策も一緒に行うようになりました。そのとき、大学生の視点で英検3級の問題を見直す機会に恵まれたのですが、「英検3級で求められる知識は、今後どんな分野に進もうとも必須レベル」だと実感しました。自分が中学生のときは英検3級の問題を客観視することはできなかったのですが、大学生になり英語力も伸びてきたことで、問題を出題者側の視点で見ることができるようにもなりました。

中学・高校生にとって、勉強を続けていくうえで何らかの達成感を味わうことは非常に重要なことではないでしょうか。ちょっとしたことが、大きな励みになることがあります。大学時代、学習塾で夏期講習の英語講師として、中学1年生と2年生のクラスを担当したことがあります。中学2年生のクラスでは単語力が不足している子が多かったので、自宅で独自に英単語テストを作って、クラスで「手作り小テスト」を毎日行うようにしてみました。

夏期講習は16日間という限られた期間だったのですが、後半期になると目に見えて回答率が上がってくる子が出てきて、小テストを返却するとき嬉しそうな顔をしていました。「小テスト」だって、自分の成長がそこで感じられたら、すごく嬉しいものなのですよね。中学・高校生にとって、英検は小テストよりも達成感を味わえる試験です。英検を「伴走者」としてうまく活用していけたら、英語力の土台作りにも大いに役立ってくれるはずです。

英検1級で試されるのは、「難解な語彙力」よりも「総合力」

「英検1級は語彙がやたらに難しすぎる」という話をよく聞きますが、会社員時代に英検1級を取得したときの体験からすると、これは少し誇張なのではないかと感じています。というのも、英検1級の場合、確かに「大問1」の語彙問題で難解な単語が出てくるものの、消去法で対処しうる内容だったからです。それほど難解な単語を知らない私でも、合格点はクリアできました。また、長文問題では、難解な単語を知らなければ正解にたどりつけない、といった問題はなかったのです。難解な単語をたくさん知っている人が受かるというよりも、総合力が試されている試験だと思いました。

英検が提供する、優れたラジオ番組

英検が提供しているラジオ番組「パックンマックン・海保知里の英語にThank you!」は、英語に苦手意識があって「英語なんて、もう大嫌い!」という方におすすめの番組です。2011年のベスト Podcast に選ばれました。

画像:「パックンマックン・海保知里の英語にThank you!」より

英検が提供している番組ですが、英検対策に特化したものではなく、「英語を楽しんでもらいたい」という気持ちが伝わってきます。(1)中学卒業レベルの英語を取り上げている(2)パックンマックンと海保さんのやり取りが面白い(3)英語圏の文化事情も学べるという点で、英語に苦手意識のある人が最初のとっかかりを作るのにぴったりだと思います。「英語って面白い」という感触を得ると、英語学習が継続化しやすいですよね。
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